退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【訃報】すぎやまこういちさん死去

ドラゴンクエスト」シリーズなどで知られる作曲家のすぎやまこういち氏の訃報が届いた。90歳。

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すぎやま氏の代表作といえば、「ドラゴンクエスト」シリーズということになるだろう。もちろん今年の東京五輪開会式にも使われるほど国民的に知られている楽曲であり、シリーズ全曲を手掛けたというから、氏のライフワークだったのだろう。

しかしゲームをあまりやらない私にとって、すぎやまこういち氏といえば、まずアニメ「伝説巨神イデオン 」を思い起こす。アニメ「伝説巨神イデオン 」は、1980年から1981年にわたり放送されてテレビアニメ。富野喜幸(現:富野由悠季)が総監督を務めている。途中で打ち切られたため、理解不能なエンディングになったが、劇場版がつくらるなど一部のコアなファンの記憶に残る作品である。

オープニングテーマ「復活のイデオン」(歌:たいらいさお)とエンディングテーマ「コスモスに君と」(歌:戸田恵子)も氏の作曲・編曲である。ちなみにいずれも井荻麟名義で富野由悠季が作詞を担当している。氏は劇伴の担当していてオーケストレーションが冴えている。音楽の専門教育を受けていないのにたいしたものである。

このほか、グループサウンズへ数々の楽曲に提供して名曲をのこしている。例えば、ザ・タイガース の「花の首飾り」「君だけに愛を」「モナリザの微笑」、ヴィレッジ・シンガーズ の「亜麻色の髪の乙女」などなど。まあグループサウンズのブームをリアルタイムで知っているわけではないが、時代の徒花だったのかなと想像する。それでも 2002年にリリースされた「亜麻色の髪の乙女」の島谷ひとみによるカバーを聞くと、途中でとつぜん開放的になるアレンジの妙があるにせよ、メロディーそのものが強いんだなと思い知らされる。名曲である。

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また誰も覚えていないだろうが、いまも声優として活躍する日高のり子のアイドルデビュー曲「初恋サンシャイン」(1980)もすぎやま氏の作曲である。初めて聞く人にはそれほど響かないだろう。実際売れなかった。やっつけ仕事だったのだろうが、当時のことを思い出させてくれる一曲である。

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訃報に接して、氏の作品リストを見ているといろいろと記憶が蘇る。すばらしい楽曲の数々をありがとうございました。