退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

テレビアニメ『聖戦士ダンバイン』見終わった。さよならバイストン・ウェル!

1983年から1984年にかけて放送されたテレビアニメ『聖戦士ダンバイン』(全49話)を見終わった。富野由悠季が総監督を務める、日本サンライズ制作のロボットアニメ。なつかしい。

先月、AbemaTVの「なつかしアニメチャンネル」で配信されたのを見ていたが、年度末のチャンネル再編の影響で無茶苦茶なペースで配信するようになり、とても見るのが追いつけなくなり脱落。その後、残りの話数をAmazonプライム・ビデオで見た。

主人公ショウ・ザマ(声:中原茂)が、中世ヨーロッパを模した異世界バイストン・ウェルに召喚されて、タイトルにある「ダンバイン」という昆虫をモチーフにしたロボット(オーラバトラーと呼ばれる)に搭乗して活躍するという話。甲虫ぽいダンバインの意匠はなかなかかっこいい。

ROBOT魂 [SIDE AB] ダンバイン

ただしダンバインの意匠は玩具メーカーには不評だったのか、主人公は「ビルバイン」という可変型のオーラバトラーに乗り換えている。これがかっこ悪い。カラーリングもいかにもロボット然としていてイケてなかった。富野監督もこれにガマンできなかったのか、終盤近くで唐突にカラーリングを変更している。

IN ACTION!! OFFSHOOT ビルバイン

本作は、今流行の「異世界モノ」のさきがけとも言える作品だが、異世界に行ったきりではなく、途中で一度東京にダンバインとともに戻ってくる。80年代の東京を舞台に戦闘したり、主人公が両親と再会したりする、地上を舞台にするエピソードがとくに面白い。

終盤、異世界から敵味方とも大挙して地上界に飛ばされて、そこで最終決戦になる。最後は富田節が発動して、主要キャラクターが次々に死んでいく「全滅エンド』に突入する。ラストはチャム・ファウ(声:川村万梨阿)というショウ・ザマと常に行動をともにしていたミ・フェラリオ(妖精かな?)だけが生き残るという余韻のあるエンディング。

第46話 リモコン作戦

話数も登場人物も多いので、とても魅力をすべて紹介することはできないが、いまのアニメには見られない骨太な作品。作者の強い思念が感じられる、壮大な構想の作品で見応えがある。

昨年度までAbemaTVの「なつかしアニメチャンネル」では、この作品のほかに『伝説巨神イデオン』、『機動戦士Ζガンダム』など、80年代に天下を取ったアニメが配信されていた。コメントしながら見れる貴重な場だったのだが、チャンネル縮小でこうした作品が取り上げられることはなくなった。今の世代に見てもらいたいアニメは他にもたくさんあるのに惜しいことだ。