AbemaTVの永井豪特集で劇場版『マジンガーZ / INFINITY』(2017年、監督:志水淳児)を鑑賞。日本アニメの金字塔である巨大ロボットアニメーションの原点とも言える「マジンガーZ」が21世紀に復活して話題になった劇場アニメーション作品。制作は東映アニメーション。
マジンガーZ / INFINITY 通常版 [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2018/08/08
- メディア: Blu-ray
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かつて激闘の末、壊滅させたはずのDr.ヘル(声;石塚運昇)と機械獣軍団が復活。世界征服の野望のため超巨大遺跡インフィニティを占拠して世界を恐怖に陥れる。かつてマジンガーZのパイロットだった兜甲児(声:森久保祥太郎)は世界平和のため再びマジンガーZに乗り込むのだった……。
「うーん」と頭を抱えるようなシナリオだが、偉大な作品の正統な後継作と位置づけられていて、昭和的なノスタルジーと現代的なアニメーションの楽しみを両立させるのは至難の業なのだろう。いろいろ制約が多かったことは想像に難くない。
しかし肝である戦闘シーンが迫力満点なのは美点。とくに懐かしいデザインの機械獣軍団が禍々しいペインティングを施され、3DCGで暴れまわるシーンは圧巻。俄然テンションが上がる。
戦闘シーンは、映像こそキレイだが相当にアナクロだ。いちいち武器の名前を叫びながら戦うシーンは、今見るとギャグのようだ。これが昭和の巨大ロボットアニメの様式美なのだがが、いまどきの若いアニメファンはどう思うのだろうか。
ノスタルジーという点では、人型アンドロイド・リサ(声:上坂すみれ)に対して、ブロッケン伯爵(声: 藤原啓治)が「ガミアQのコピーか」と言うセリフが個人的にはツボだった。全体としてはイマイチな脚本だが、個々のシーンではニンマリできるアイデアも多い。かつてもファンも楽しめるのではないか。
本作は劇場公開されたとき、映画館に行こうかギリギリまで迷って結局見送った作品。今回ネット配信で見たが、当時映画館で見たら「うーん、コレジャナイ」と思ったか、それとも戦闘シーンを大スクリーンで見て満足したのか、いまとなってはわからない。
テレビシリーズではやんちゃだった主人公の兜甲児が、留学を経て科学者になって登場。まともな大人になっていたことに時の流れを感じると同時に一抹の寂しさを感じた。オレの知ってる甲児はコレジャナイ。
大学時代は遊びまくってめちゃくちゃ面白かったヤツが、就職してマトモな社会人になり、つまらない男になった、というありがちな話を想起させる。
余談だが、現在、上野の森美術館で「画業50年“突破”記念 永井GO展」が開催中。このアニメを見てテンションを上げて上野に行くつもりである。