退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『修羅の群れ』(1984) / 東映やくざ映画の最後の煌めき。ポン中のサブちゃんに注目だ!

YouTubeの「TOEI Xstream theater」チャンネルで無料配信されていた、映画『修羅の群れ』(1984年、監督:山下耕作)を鑑賞。原作は大下英治による同名ドキュメンタリー小説。稲川会総裁・稲川角二をモデルした主人公の半生を描く実録やくざ映画。主演は松方弘樹

昭和8年、稲原龍二松方弘樹)は博徒の道へ入り、兄貴分・横山新二郎から任侠のイロハを学ぶ。戦後の熱海で頭角を現す稲原の元に若き修羅たちが集まってくる。そのなかでも井沢輝一(菅原文太)とモロッコの辰(北島三郎)のコンビは驚くべき速さ勢力を拡大させていくが……。


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東映やくざ映画の最後の大作とも言える作品で、かつて任侠映画や実録やくざ映画で活躍した、松方弘樹北大路欣也若山富三郎丹波哲郎菅原文太など錚々たる面々が顔を揃える。オールスターである。

ちょっと面白いのは、野球解説者の張本勲小林繁が特別出演していることに加え、北島三郎組の歌手も動員していること。当時を知るものには懐かしく見えるだろう。

そのなかでもやたらとマシンガンをぶっ放す「モロッコの辰」を演じた北島三郎が見どころ。ポン中になった姿は地上波では放送できない熱演だ。

ストーリーは駆け足すぎる気もするがテンポがよい。柔道している松方弘樹はすぐに博徒入りしたり、母親が反対しているのに酒井和歌子がすぐに松方と結婚したり、どんどんと物語が進んでいく。

任侠・実録映画の総決算としてそれなりにまとまっているのは監督の手腕だろう。

修羅の群れ