退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【訃報】千葉真一さん死去

アクション映画スター、千葉真一さんが19日、新型コロナウイルスによる合併症のため死去したとの訃報が届きました。82歳。最好きなアクションスターだったのでショックを受けました。

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千葉さんのアクションはタランティーノ監督を魅了して、ハリウッド大作『キル・ビル』(2003年)にも出演しているが、私が印象に残っているのは、テレビ時代劇『服部半蔵 影の軍団』(1980年)の服部半蔵の勇姿です。毎回銭湯のヌードシーンを目当てに見てたこともあるが、千葉さんは本当にカッコよかったなぁ。

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その後、名画座などで千葉真一主演の70年代の東映プログラムピクチャーを何本も見てすっかりファンになったものです。

またジャパンアクションクラブを創設し、真田広之をはじめ多くの人材を輩出した功績も大きい。志穂美悦子森永奈緒美にスクリーンで出会えたのも千葉さんのおかげだろう。

千葉さんを活躍は多岐にわたり、追悼に見たい映画は多いが以下に3本だけ紹介したい。いずれ名画座で追悼企画が上映されるだろうが、そのころにはコロナ騒ぎが収束していることを切に願いたい。

ご冥福をお祈りします。

魔界転生(1981年、深作欣二

千葉ちゃんの当たり役と言えば柳生十兵衛。映画やテレビで何度も十兵衛を演じているが、いちばんのオススメは『魔界転生』である。炎上する江戸城のなか、若山富三郎扮する柳生宗矩と親子対決するクライマックスは超・必見。CGのない時代、炎も本物だったという。その熱さがスクリーンから伝わってくる。

戦国自衛隊(1979年、斎藤光正)

薬師丸ひろ子も出演した角川映画自衛隊の小部隊が戦国時代にタイムスリップして、武田信玄の軍勢と戦うという奇想天外な物語。千葉ちゃんは部隊の指揮官である伊庭三尉。自衛隊服姿で馬上で刀を振るう姿がかっこいい。千葉ちゃんが夏木勲と半裸になって水浴びする「うほっ」なシーンもあるが、すでにふたりとも鬼籍に入ってしまった。昭和は遠くなった。もう一度大きなスクリーンで見たい一本。

空手バカ一代 (1977年、山口和彦

東映時代に撮ったプログラムピクチャーのひとつ。これがいちばんオススメというわけではないが、いちばん動けていた時代のアクション映画の数々ははいまみても見応えがある。ちょうどいまTOKYO MXでアニメ「空手バカ一代」が放送中なのでチョイスしてみた。千葉ちゃんが演じるのはもちろん大山倍達。本来なら渡米するのだが、代わりに返還後の沖縄でロケを敢行している。当時の沖縄の様子がわかるのも見どころ。