アニメ映画『イヴの時間 劇場版』(2009年、原作・脚本・監督:吉浦康裕)を鑑賞。
「未来、たぶん日本。“ロボット”が実用化されて久しく、“人間型ロボット”(アンドロイド)が実用化されて間もない時代。」という設定。メイドロボットのサミィ(田中理恵)がときどき様子をみて外出するのを不審に思った少年リクオ(福山潤)は、親友マサキ(野島健児)ともにサティの尾行する。行き先は、喫茶店「イヴの時間」という、「人間とアンドロイドを区別しない」というルールの店だった……。
目まぐるしい視線の移動や画面上を動き回る文字など、当時のCG技術をアピールする演出が目立つ。今の感覚からすれば、そんなに動かさなくてもいいだろう、と思わなくもない。しかし当時動かしたくなった気持ちはわかる気がする。もはや懐かしい雰囲気すら感じられる。
人間とアンドロイドの関係を描くという古典SF的なテーマであるが、SFの王道であることはまちがいがない。他者との関わりという点では、現代社内にも通じる点があるかもしれない。バトルがあるわけでもなく、穏やかに時が流れていく日常系SFアニメとも言えるハートウォーミングな作風は好感が持てる。