退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

交通インフラがこんな事態になるとは…

少し前の「週刊東洋経済」をパラパラ見ていたら、新型コロナウイルスにより鉄道、航空業界がきびしい状況にあることを特集していた号があった。「激震! エアライン・鉄道」というタイトルが踊る。

もう随分前になるが私の時代の就活でも、安定志向だけど公務員は嫌という学生が一定数いて、そうした学生のなかには「インフラ業界」に就職する者もいた。電気、ガス、水道、通信などに加えて交通インフラも人気があった。なかには鉄ヲタもいたが……。

航空会社や鉄道会社は公共性がありやりがいがありそうだし、関連事業も多岐にわたり将来性がありそうだ。なにより人の移動は急になくなることはないし、安定性は抜群に思えたのも無理はない。

しかし、コロナ禍で事態は一変した。新型コロナウイルスの感染拡大によって人々の移動は急減したからだ。これにより公共交通機関の経営基盤が大きく揺らぐことになった。

体感的にも通勤電車は明らかに人が少なくなったし、オフィスに行かなくても仕事ができるような「リモート」の働き方も急速に普及した。すべての業務がリモートで済むわけではないが、多くの分野で毎日出勤する必要がなく、リモートで働くほうが生活の質が高くなることに、皆が気がついてしまったことは大きい。

そうなると、コロナ後も人の移動が従来の水準まで戻ることはないだろう。安定だと思われた「交通インフラ」の需要が急速にシュリンクすることになり、交通インフラ業界は経営の見直しを迫られることになる。

安定志向で業界に入った人たちはどうなるのだろうか。あいつは元気でやってるかななどと思ってしまう。世の中は本当にわからないものである。