退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

ミニシアターの危機に思うこと

私は、なるべく映画は映画館で見たい派だが、このコロナ禍により映画館が軒並み休館となりさみしい思いをしている。

このコロナ禍は、エンターテイメント業界だけでなく広範囲に渡り世界経済にダメージをもたらすだろう。映画業界ももちろん打撃を受けているが、とりわけ単館系の映画館に大きな影響が出ているようだ。以下はミニシアターの悲痛を訴える記事だが、きびしい事態になったことがよくわかり興味深い。

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私は、アート系ミニシアターよりも昔ながらの名画座が好きだが、経営基盤が比較的脆弱な単館系とという点では共通点は多い。とは言っても、コロナ禍の前から名画座は斜陽であり、都内でも多くの名画座が閉館した。以前足繁く通った、銀座シネパトス、中野武蔵野ホール、新宿昭和館、自由が丘武蔵野館はとっくにないし、浅草東宝をはじめとする浅草の映画館街も軒並み閉館してしまった。

それでも新文芸坐早稲田松竹などは健在であり、名画座の存在が東京の街が好きな理由のひとつでもある。東京はときには人口が多くてうんざりすることも多いが、映画好きも多いのだろう、名画座もかろうじて経営が成り立つという構図があるのだろう。

今回のコロナ禍でいったん独立系の映画館の火は消えるかもしれない。さらにいまの時代はネット配信の普及が、経営危機に拍車をかけている。私はホームシアターなどに投資するなら、なるべく映画館で観たいと思っていたが、映画館が休館しているのだからそうもいかない。自宅の映画鑑賞の環境を少し整備しようかなとも考えている。

同じように思っている映画ファンも多いのではないか。今回、映画館に行けなくなって改めて気付いたことだが、映画館で映画を見るのはかなり割高である。いままでは、その価値があると思って映画館に通っていが、入場料は時間などを考えると映画鑑賞の方法を見直さなければいけないのかもしれない。

いずれにせよ、ポストコロナの時代に単館系映画館が生き残れるかどうか心配だ。いままでより頻度は減るだろうが、映画館の再開後、月に2回ぐらいは名画座で映画を楽しみたいものだ。

映画館(ミニシアター)のつくり方