イギリスが31日、EU(欧州連合)から離脱し、47年間にわたる加盟に幕を下ろした。EUは設立当時から加盟国を増やす一方だったが、イギリスはEUから離脱する初めての国となる。
この離脱は2016年の国民投票の結果であるが、投票から4年を経て紆余曲折を経てようやく実現した。国家の分断を招いたとされるEU離脱の「記念すべき日」をどのように祝うのか海外メディアを注目したが意外に地味だった。イギリスらしいかもしれない。
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今後、離脱の影響を和らげるための「移行期間」に入り、イギリスはEUとの間に新たに貿易協定や安全保障など様々な分野での関係構築を模索することになる。EUがイギリスに対してどのような態度にでるかわからないが、これまでと同じような待遇を受けることはないだろう。甘やかすとEUから離脱する国が続出するおそれがあるからだ。
今回の移行期間は今年いっぱいだ。それまでにEUとの間に合意が成立しない場合はいよいよ「合意なき離脱」ということになる。果たしてどうなるか。
EU離脱はイギリス国民の選択なので、外野がとやかく言うのは筋違いだが短期的には経済的に苦境に陥るのは明らかだろう。まあポンドが安くなったらもう一度ぐらいイギリスに旅行してみたいものだ。
いずれにせよ「2020年、英EU離脱」は今後受験生が覚えなくてはいけない年号になったのはまちがいない。