退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『ラーメン食いてぇ! 』(2018) / ベタなラーメン青春映画

DVDで映画『ラーメン食いてぇ! 』(2018年、監督:熊谷祐紀)を鑑賞。 林明輝原作の同名Web漫画の映画化。主演は中村ゆりか

ラーメン食いてぇ! [DVD]

ラーメン食いてぇ! [DVD]

  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • 発売日: 2018/11/02
  • メディア: DVD

ラーメンの名店「清蘭」の店主(石橋蓮司)は、長年いっしょにラーメンづくりに励んでいた連れ合いを亡くし、すっかり気落ちしていた。ラーメンの味もガタ落ちになり店を閉めようとしていた矢先、孫娘マリエ(中村ゆりか)が自殺未遂を起こしたと連絡を受ける。病床のマリエは、祖父のラーメンスープに感動して「日本一のラーメンをつくる」ことを決意。親友コジマ(葵わかな)を巻き込み修行を始める。そうした頃、美食家・赤星(宅間孝行)は、仕事で訪れた中央アジアで事故に遭い、「ラーメン食いてぇ!」と思いながら荒野をさまよっていた……。


女子高生がラーメン修行!映画『ラーメン食いてぇ!』予告編

まずヒロインたちが群馬の高校生に見えないところは難点か。垢抜けすぎていてリアリティがないがこれは仕方ない。とりあえず体力づくりだとランニングする中村ゆりかが華奢すぎて大丈夫かと心配になるが、健気さが伝わってくるのはいい。

またヒロインたちがラーメン修行に励む群馬の場面と、キルギス大自然の映像が交互に登場するの工夫は奏功していることも特筆しておきたい。ベタな話ではあるが、この工夫のおかげで見ている側を飽きさせないリズムが出来ている。

ラストに帰国した赤星にラーメンを出す場面で、「やっぱりここは塩だろ」とみんな思ったのではないか。こう思ってもらえれば制作側の狙いどおり。さらに観客がラーメンを食べたくなれば大成功ということだろう。低予算ながらよくできた青春映画に仕上がっている。

ただラーメンを題材にするなら、もっとマニアックなラーメンのウンチクを詰め込んでほしかった。高校生のヒロインたちがラーメンを作りれるようになるプロセスがあまりに簡単すぎる。

DVDには特典としてメイキング映像収録されていた。ラストで修行の成果を披露して、みんなでラーメンを食べる場面のメイキングはちょっといい。ほのぼのとした撮影風景をのぞき見することできてお得感がある。こうした映像はDVDならでは楽しみだろう。

余談だが、ヒロインたちの母親役に片岡礼子森尾由美が配役されていたのオレ的には嬉しかった。出番は少ないがふたりとも美しい。このキャスティング監督の嗜好だろうか。だとすれば私と趣味があうかもしれない。