政府の海賊版サイトの緊急対策案が発表された。「漫画村」「Anitube」「Miomio」を名指してサイトブロッキングを要請する可能性を示唆した。法的根拠を伴わないサイトブロッキングの是非については議論のあるところだろう。それでもこの政府の動きを受けて、無料でアニメが見れる違法サイト「Anitube」は事実上閉鎖された。
政府はコンテンツビジネスの崩壊を招き、インターネット上が無法地帯となる恐れを指摘している。まあ当然と言えば当然だろう。このような違法サイトを野放しにしていたらアニメをつくる人がいなくなるのは火を見るより明らか。表立ってAnitubeを擁護できる人はいないだろう。
今回、そうした状況で地方民の怨嗟がネット上で巻き起こっていつことに驚いた。このまとめが典型例である。
議論(愚痴かな?)の口火は以下のとおり。東京民だけ無料でアニメが見れてズルいということらしい。バカバカしい。
anitube閉鎖していいので全アニメの放送を全国でやって……。東京はリアルタイムで見れるのに、地方は週遅れなんてザラ。公式配信で見れば?の意見もその通りだと思う。でも地方民からすると「東京民は無料で見れるのに……」という気持ちを消せない。
— 炊飯 (@_465han) 2018年4月13日
めっちゃ分かる。
— *咲楽* (@_sakura73_) 2018年4月13日
週遅れでも見られればいい方やし、普通に電気代だけで見られる人がおるのに自分は「有料」か「違法配信」かと思うと…😫 https://t.co/YbVj7QvxKJ
いわゆる地域格差が気に入らないらしい。
それに対する代表的な反論は、都会の住民は田舎より生活費を負担しているのだから恩惠があるのは当然であるというモノ。まあわからなくもない。
このリプ欄といいツイート主といい、田舎より高い金払って都会住んでるのに田舎でもあれやってこれやってって、意味がわからないDVD買いません有料会員になりません無料で見させてくださいでも法は犯したくありませんって、何かしろよなぁ、都会に住んでる奴らもそこに住まうために努力してるのに
— Helios (@Helios_ks) 2018年4月13日
気持ちは分かるし閉鎖していいけど、公式配信があるものに関してはそれを否定するのは違うと思う
— mamacros@原稿中 コミケ5/3南シ32a (@mamacros) 2018年4月14日
東京は無料って思ってるかもだけど その分家も物価も高いし 対価を支払ってると思う https://t.co/JXb9COlWu8
極めてつけの正論は、地域格差はあるのは同情するが、だからと言って違法サイトを使っていい理由にはならないというもの。ごもっとも!
地方の人は見るの遅れて気の毒だろうけど違法サイト使っていい理由にはならないだろ
— らっぴぃ~ (@rappyiultra) 2018年4月14日
その作品が好きなら金払え https://t.co/08wGaWH6fC
まあアニメもビジネスだから投資対効果がないところには投資しないのは当たり前。首都圏を制覇すれば、アニメイベントなどで商売になる現状は如何ともしがたい。地方民はどうしても見てもらわないと困るというほどではない、というのが現状だろう。
これはアニメ業界だけに留まらず、市場規模、人材、資本などなど、すべてのリソースが首都圏に集中していることが原因である。地域格差は昭和の時代からあったが、インターネットの登場により、格差が一層明確に可視化されるとともに、マスが意見を発信しやすくなったことによる現象だろう。
インターネットが空間を越えることのできる夢のツールと思われた時期もあったが、結局ビジネスはリアルの地域経済と密接に結びついていることがはっきりしたのは皮肉なことだ。
地方でグダグダ文句を言ってるなら受験勉強をがんばって東京に来なさい。これが地方出身者で大学進学時に上京した私からのメッセージである。