退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『ゲット・アウト』(2017) / アカデミー脚本賞を受賞したサスペンス映画の秀作

早稲田松竹で映画『ゲット・アウト』(2017年)を鑑賞。監督・脚本を人気コメディアンのジョーダン・ピールが務めたことで話題になった。低予算ながら第90回アカデミー賞脚本賞を受賞したホラー風サスペンス映画。

ニューヨークの黒人青年クリス(ダニエル・カルーヤ)は、付き合って4か月の白人の恋人ローズ(アリソン・ウィリアムズ)の実家を訪れることになる。クリスは気後れするが、ローズの実家は豪邸で彼女の家族から過剰な歓待を受ける。しかし庭師やメイドは全員黒人でなんとも言えない「変」な雰囲気が漂っていた。翌日、パーティーに多くの友人が集まるが白人ばかりでクリスは気後れするが……。


Get Out Trailer

血なまぐさいホラーとは違う、じわじわ恐怖が迫ってくるサスペンス映画。人種差別が背景にあるので、日本では作れない作品だろう。中盤以降の「変」の抑えた描写は巧妙でよくできている。とくに被害者となった黒人たちの振る舞いが怖い。ただし真相が判明したあとは80年代のB級映画のような乱暴な店じまいだったのは惜しい。もうひとひねりほしいところ。

これから観る人はネタバレ情報に接触しないで、新鮮な気持ちでご覧になることをオススメします。あっと驚く真相が肝。初見が大切な映画です。

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