《新文芸坐セレクション Vol.4 絶対に観てほしい活劇 電光石火の24本!》で映画『野獣狩り』(1975年、監督:須川栄三)を鑑賞。主演は藤岡弘。併映は『野獣死すべし 復讐のメカニック』だったので藤岡弘主演作の二本立て。本作は”野獣”じゃなくて刑事役。
「黒の戦線」を自称する過激派組織によるコーラ会社社長誘拐事件を追う、藤岡弘と伴淳三郎の親子刑事の活躍を描く。「コーラの原液の成分を公表しろ!」というのが誘拐犯の要求。そのセンスは理解不能。米国本社が断固拒否して金で解決を図ることになり、以後、身代金の受け渡しが焦点になる。
人質が会社から誘拐されて遠くに連れ去られてかと思いきや、実は会社内に監禁されていたというのは古い推理小説のようだったが、身代金受け渡し時のアクションが秀逸。とくにラストの銃撃戦は当時の日本映画にしてはリアリティがあった。
B級のアクション映画だがテンポがよく楽しく見られるのがよい。売り出し中の藤岡弘は若くて野性味があってオーラがある。伴淳三郎との掛け合いもいい味を出している。難点を言えばヒロイン不在だということぐらいか。
この頃の藤岡弘はかっこいい。ムダに熱い刑事役は藤岡のキャラクターと合っている。本作はシリーズ化されてもおかしくないと思ったが、映画斜陽の時代が悪かったのか。