退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】池上彰、佐藤優『僕らが毎日やっている最強の読み方』(東洋経済新報社、2016年)

現代の知識人として知られる池上彰佐藤優の対談集。新聞、雑誌、ネット、書籍、教科書・学習参考書の読み方・使い方について、その「極意」を開陳している。いかにも売れそうな本である。

もちろんふたりが日常で実践していることをそのままできるわけもないが、70の極意を自分なりに咀嚼して役立ちそうなモノを取り入れれば十分だろう。取捨選択しながら読み進めると意外な発見があるかもしれない。

巻頭に佐藤氏が数々のガジェットを前にした写真が載っていてイメージとちがうなと思ったが、iPadEvernoteを駆使していてちょっと驚いた。本文に氏が使っている機器やサービスが紹介されているので参考になる。

この本が優れているのは、巻末に対談で登場した「書籍」「ネット」「雑誌」などのリストがまとまっていることである。欲を言えば、リストから本文を参照できるように登場したページも併記してくれると、さらによかった。加えて、巻末の「極意」リストも有用だった。

以下、私がとくに参考になったことを列挙する。

  • 雑誌は「dマガジン」(定額読み放題)を愛用している。革命的。
  • 新聞は電子版のほうが紙より速く読める
  • 調べ物は、とりあえず「ジャパンナレッジ」
  • 酒を呑むのは人生の損
  • 擬古文の訓練をしておくと、戦前の資料も難なく読めるようになる
  • ビジネスパーソンが短期間に基本知識を強化しようと思ったら「スタディサプリ」がよい

対談集にはコスパ悪い本が多いように思うが、この本は密度が高く読み応えがあった。紹介されたハックのうち、ひとつでもふたつでも取り入れることができれば元はとれるだろう。

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