早稲田松竹で映画『帰ってきたヒトラー』(2015年、監督:デヴィット・ヴェント)を鑑賞。いまではすっかり旅番組になってしまったが、当時のNHKのドイツ語講座で紹介されていて、いつかは見たいと思っていた作品。原題は Er ist wieder da といい、同名小説の映画化。
帰ってきたヒトラー コレクターズ・エディション [Blu-ray]
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現代にタイムスリップしてきたヒトラー(オリヴァー・マスッチ)がモノマネ芸人としてブレイク。やがて本領発揮し再び、大衆の心を捉え始める。この映画の公開は2015年だが、その後も難民問題などでEU存続が危ぶまれてきているのは周知のとおり。そうした世相を先取りしているとも言える。なかなかよくできた映画。
ヒトラーが初めてパソコンに触れたり、当時はなかったテレビ番組に出演する。新しいメディアに見事に順応して大衆の人気を獲得していくのはそら恐ろしい。また自身の復活劇を出版すればベストセラーになり、映画化される勢い。その映画の撮影シーンと現実がクロスオーバーするラストはヒネリがあって面白い。
欲を言えば、ヒットラーがタイムスリップする場面を描いてほしかった。さらにヒトラーはドイツ国内を巡るだけでなく、ポーランドやイスラエルも訪問してほしかった。政治的にムズカしいのだろうが、タブーに挑戦するならそのくらいやってほしいものだ。