退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

BS時代劇「妻は、くノ一」がよかった

アンコール放送されていたBS時代劇「妻は、くノ一」(全8回)を見終わりました。瀧本美織×市川染五郎によるテレビ時代劇です。風野真知雄の時代小説が原作。初回放送は2013年4月でしたが今回が初見でした。

このドラマは時代劇の忍者モノですが、ふたりのラブストーリーが肝。相思相愛のふたりの絆が、ドラマではよく描けているのが美点です。さらに時代劇の楽しみである殺陣も予想以上だったので満足しました。ストーリーは次のとおり

幕末期、平戸藩の書物天文係の雙星彦馬(市川染五郎)の下に、上司の紹介で織江(瀧本美織)が嫁いでくる。ふたりは幸せに暮らすが長続きしなかった。織江が突如失踪したのだ。織江の正体は幕府の隠密だった(タイトル回収)。

織江にもう一度会いたいと強く願う彦馬は、江戸に出て寺子屋で教えながら妻を探し始める。さらに開明派の元・平戸藩主の松浦静山田中泯)と知己を得るが、静山と幕府とのトラブルに巻き込まれていく。

一方の織江も彦馬に思いを残していた。隠密の任務のなか江戸に出てきた彦馬と接触。妻と隠密、それぞれの立場の間で葛藤する。母親(若村麻由美)の助けもあり、最後は彦馬を選び抜け忍となった織江は刺客に追われることになる。

ラストは大立ち回りの末、織江はどこともなく去っていく場面で終わり、続編にひっぱる幕切れです。翌年には完結編である「妻は、くノ一〜最終章〜」が放送されましたが、こちらは未見、再放送希望です。

主演ふたりの演技が光っています。とくに時代劇に初挑戦だったという瀧本美織が素晴らしい。くノ一アクションにも果敢に挑戦しているのも見どころ。また武道に疎くまるで弱い、市川染五郎も新鮮でした。ほかの主演者では田中泯に注目したい。画面にいるだけでも存在感があるが、本作ではくノ一相手に殺陣を披露する場面は見応えがありました。

アンコール放送されるということは視聴者からの要望が多いのでしょう。それも納得できる時代劇ドラマでした。オススメします。