世田谷文学館で「生誕100年 映画監督・小林正樹」展を見てきました。『人間の條件』『切腹』『怪談』『化石』『東京裁判』などの作品で知られる映画監督・小林正樹の回顧展。今年は監督の生誕100年・没後20年にあたるとのことです。
展示館のポスターは『切腹』(1962年)の一場面ですが、時代劇ファンとしては、上記の作品に加えて『上意討ち 拝領妻始末』(1967年)もおさえておきたいところです。
この展示会は膨大な資料で監督の仕事を振り返るという企画ですが、とくに興味深く見たのはボツになった「敦煌」や「226事件」などの資料です。とくに井上靖原作の『敦煌』は取材を終え脚本も完成していたとのこと。ぜひ監督の手で映画化してほしかった。
そして会場で『化石』(1975年)のロケ風景を撮影した映像が見れたのもよかったです。近々映画版『化石』のDVDが再販されるらしいですが、基になったテレビドラマをどこかで見たいとずっと待っているのですがいまだに実現していません。
また会場に数多く展示されていた映画ポスターは圧巻。名画座ではなかなか目にすることができない大判のものや海外向けのポスターはなかなかの迫力でした。
この秋、ユーロスペースで監督の特集上映が決定しているのとのこと。今回の展示会で見たくなった作品も見つかったので、ぜひ足を運んでみたいと思います。どうせなら松竹系の劇場で大々的に上映してほしいところですが、いろいろ大人の事情があるのでしょう。
余談ですが、この展示会の会期終了後、世田谷文学館は改修工事のため来年の春まで休館とのことです。外観はキレイでまったく老朽化しているように見えませんが分からないものです。