退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『ジュラシック・ワールド』(2015) / 「ジュラシック・パーク」シリーズ第4作でハイヒールの女が走る

新文芸坐で『ジュラシック・ワールド』(2015年、監督:コリン・トレボロウ)を鑑賞。『ジュラシック・パーク』(1993年)、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(1997年)、『ジュラシック・パークIII』(2001年)に続くシリーズ第4作。

ジュラシック・パーク」の惨劇から22年後が描かれる。事故にもかかわらず、なんと島はテーマパーク「ジュラシック・ワールド」は観光施設として大成功を収めていた。おいおい事故があったのにこれでいいのかよ、と思いつつ映画が始まる。

観客たちはすでに普通の恐竜に飽きていて、パークでは集客のため遺伝子操作により新種の恐竜を次々に生み出していた。そうした過程で創りだされたハイブリッド恐竜インドミナス・レックスが飼育エリアから逃げ出し再び惨劇が起こるという懲りない話。

主人公は旧作と同じくパークに遊びに来たふたり兄弟。この他にも過去作品へのオマージュがふんだんに盛り込まれていて旧作のファンを楽しませてくれる。これは併映作品だった『クリード チャンプを継ぐ男』と同じ。

個人的にツボだったのは兄弟の叔母でパークの責任者クレアを演じたブライス・ダラス・ハワード。非常時なのにずっとハイヒールのままなのかは謎だが、終始ハイヒールで走りまわる姿がよかった。ハイヒール加点。

ラストは22年前にパークで暴れたあのティラノサウルス・レックスが開放されて、インドミナス・レックスと一騎打ちを演じるという大サービス。旧作ファンも大喜びだ。


Jurassic World - Official Trailer (HD)

難点を言えば、島は2万人の観光客を集める規模なのにそのスケール感が伝わってこないこと。パニック映画としてもっと緊迫感があるストーリーで撮れたはずだ。恐竜に襲われてる人たちもどことなくユーモラスに描かれていて緊張感に欠ける。コミカルに撮りたいのかパニック映画にしたいのか方向性がよくわからない。

そうは言っても、映像的には文句が付けようがないし娯楽映画として十分に楽しめた。公開時に3Dで見ておきたかったといまさらだが後悔した。