福岡女子大の男性入学拒否訴訟の裁判が福岡地裁で始まりました。大学側は「女性リーダーの育成が重要な役割」として請求棄却を求めて争う姿勢を示しました。
女子大から出願不受理された男性が違憲訴訟
経緯を見てみましょう。昨年秋、福岡女子大から入学願書を受理されなかった20代の男性が大学側を相手取り、受験生としての地位があることの確認を求めて福岡地裁に提訴しました。「法の下の平等をうたう憲法14条に反する」という違憲訴訟です。
http://www.asahi.com/articles/ASGCF51QYGCFPPZB00N.htmlwww.asahi.com
国公立の女子大はどれだけあるのか
建学の理念に基づく私立の女子大は問題なさそうですが、特段の理由なしに国公立大学が男性を排除するのはムリがありそうです。
現在、国公立の女子大がどのくらいあるのかざっと調べてみました。以下の4校だけのようです。
国立の「お茶女」「奈良女」は、旧学制の女子高等師範学校を前身としている名門です。本来は学制が新しくなったときに整理統合されるのが筋だったような気もしますが、そのまま名称を変えて新制大学として存続しました。
一方、公立の女子大は以前は他にもいくつかあったようですが、男女共学になったり、他の大学と統合されたりしています。残るは2校です。
なぜこれまで問題にならなかったのか
ぶっちゃけ誰も困らなかったので訴訟を起こす人がいなかったからでしょう。自転車で行ける範囲にお茶女があったとしても、男子学生は最初から眼中に入らないでしょう。当たり前に他を目指しますよね。
しかし今回は事情が違います。栄養士の免許の取得に向けたカリキュラムがあるのは、国公立では県内には福岡女子大学で、他の選択は経済的な理由であり困難であると主張しています。なかなか説得力があるように思えます。
裁判の行方は
第1回口頭弁論では、大学側は「女性リーダーの育成が重要な役割」と主張したらしいですが、男女共学では女性リーダーの育成できないのでしょうか。そもそも男性の入学を拒んでいた理由が弱いようです。昔からの流れというだけでしょう。
名門とされる「お茶女」「奈良女」にしても同様で、旧学制では女性の教育機会を確保するために必要だったのでしょうが、旧帝大ですら女性に門戸を引いている現在においては、とっくに歴史的使命を終えたと思われます。
憲法を尊重する建前になっていても、成り行きで憲法違反になっていることが他にもあるかもしれません。国公立の女子大はその最たる例でしょう。ひとつひとつチェックしていく必要がありそうです。
今日はこれぐらいにしておきましょう。ごきげんよう。
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