「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」は、第23巻で完結したと思っていましたが、第24巻を店頭で見かけたので「あれあれ」と思い読んでみました。
この本は「THE ORIGIN」をめぐる人々のその後や、知られざる過去を描いた短篇集です。『ガンダムエース』や公式ガイドブックに掲載された番外編をまとめたもので、「おふざけ」が過ぎるギャグマンガのテイストの作品集です。
これを第24巻として発売するはどうかと思いますが……。なかなか商魂たくましいですね。たしかに書店では目に付くでしょう。番外編を本編の続編としてリリースする商法は、少し前によんだ「ベルサイユのばら」と同じですね。
掲載されているのは、次の4作品です。
- 「その前夜」(ガンダム本編冒頭の数時間前を描く前日譚)
- 「キャスバル0057」(シャアが誕生した日のサイド3の動乱)
- 「アルティシア0083」(一年戦争後、セイラを取材だと偽って訪問するカイ・シデン)
- 「アムロ0082」(ハヤト、フラウたちと出雲を訪れるアムロ)
いちばん好きなのは「アルティシア0083」。一年戦争後、戦争孤児の救済を目的にした財団の運営をまかされたセイラのもとを、ミライに頼まれて訪問するカイ・シデン。そこにセイラを連れ去ろうとするジオン過激派が来襲する、という話です。
表紙にセイラがスティックを持ったイラストがありますが、ポロ(ゲートボールじゃないよ)で活躍するセイラの勇姿を見ることができます。ラストでは本編「大西洋血に染めて」で犠牲になったミハルの妹弟(ジルとミリー)が財団の保護下にあることが語られます。このふたりの孤児の将来が気になっていた人も多いでしょう。ナイス・フォロー。そして、これをきっかけにカイがジャーナリストを志すようになるというエピソードです。
この本は番外編ですので、どの作品も本編を読んでいないとまったくワケが分からないしょう。その意味では「第24巻」とするのは合理性があるのかもしれません。
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