自動車評論家の徳大寺有恒さんが、7日に死去しました。74歳でした。ご冥福をお祈り申し上げます。
徳大寺さんは『間違いだらけのクルマ選び』の著者として知られ、私もある時期は毎年買って本棚に並べていました。歯に衣着せぬ評論に、こんなこと書いてダイジョウブなのかなと思ったものです。
地方で働いていたときは車は通勤手段として必要だったこともあり、どうせ買うなら納得のできる買い物をしようと思い自動車関連の本や雑誌をよく読んでいました。とくに雑誌『NAVI』(ニ玄社刊)は長く毎月購読していました。
登場する車の多くは高価で安月給のわが身には手がでるシロモノではありませんでしたが、自動車を通しての文化論というかライフスタイルには影響を受けました。感化されやすかったのか、身分不相応なドイツ車を所有していたこともありました。徳大寺さんの言説を見なければそうしたこともなかったでしょう。
この雑誌の徳大寺が登場するNAVIトーク(だったかな)は毎月面白く読んでいましたし、写真にみる姿にも憧れたものです。ちょうどこんな感じだったかな。
そのうち東京で暮らすことになり、週末しか乗らない自動車は不要の長物となり手放してしましました。その後はもっぱら地下鉄が移動手段なり、自動車とは縁遠くなり、雑誌『NANI』も図書館で見かけると手にとるぐらいでした。そんな『Navi』も2010年に休刊になり、日本の自動車文化も曲がり角に至ったことを実感することになります。
あれから4年。徳大寺さんも亡くなられていよいよひとつの時代が終わったような気がします。寂しいことです。
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