新文芸坐で開催された《追悼上映 鬼才 鈴木則文 ~下品こそ、この世の花~》の最終日に、映画『華麗なる追跡』(1975年)を見ました。えっちゃんこと、志穂美悦子の主演作です。
レーサーとして活躍するヒロインが、冤罪で収監され殺された父親の仇をうつ復讐譚。見どころは、志穂美悦子がパーティードレス、男装、老婆と次々に変装していく多羅尾伴内的な七変化です。もちろん空手アクション全開です。とくにラストのロープウェイ上の敵役の天津敏とのアクションは見ごたえがあります。
他にはマッハ文朱が出演しているのにも要注目。登場シーンがおもしろい。酒場で演歌を歌いながら登場し、急に女子プロレスラーに変身します。そこでリングでもないのにプロレスを始めるという唐突さがなかなかイケてます。
主演の志穂美悦子は、1987年に長渕剛と結婚して「クセのある男なので専業主婦したい」として事実上引退してしまいます。本人の希望だから仕方ないのだが、もっと活躍して作品を残してほしかった。まったく惜しいです。
さて調べてみたら、この作品は2013年春にラピュタ阿佐ヶ谷で開催された「最強ヒロイン 志穂美悦子 参上!」という企画で見ていました。この企画には結構通ったものですが、そのときに展示されていたヌンチャクを貼っておきます。ご本人が来場されてサインしたモノです。