退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『浪曲子守唄』(1966) / 千葉真一と子役時代の真田広之が共演してます!

シネマヴェーラ渋谷で映画『浪曲子守唄』(1966年、監督:鷹森立一)を鑑賞。千葉真一特集「チバちゃん祭り!Sonny Chiba A Go Go!!」のなかの一本。

一節太郎の大ヒット曲「浪曲子守唄」を基にした、父と子の絆を描いた東映任侠映画。「逃ーげた女房に未練はないがぁ〜」というあの曲である。本作が好評だったのか続編もつくられているが、本作はソフト化はされていないようだ。

ストーリーは典型的な東映任侠映画。千葉ちゃんは子連れの身の上。元は凄腕のイカサマ師だったが、子どものために博打打ちから足を洗い堅気になろうとする。それでも子どもを人質にとられイカサマを強要されるが、寸でのところでイカサマを拒否したため、大損したヤクザは激おこプンプン丸。このヤクザとの争いで人を殺めた千葉ちゃんは子どもを残して自首する。

まあ、ざっくりこんな話である。どうということのないプログラムピクチャーだが、この映画には重要な見どころがある。それは、千葉ちゃんの子どもを子役時代の真田広之(「下沢広之」名義)が演じていることである。つまり千葉真一真田広之の共演作なのだ。後に真田が役者として大成したことを考えると記念碑的な作品である。

もうひとつ大原麗子が、真田が預けられる家の娘として出演していることにも注目したい。まだ駆け出しで青い印象を受けるが、大原の特徴である甘いハスキーボイスは当時から健在。一声聞いてすぐにわかる。その後、どんどん美人になっていくことを思いながらスクリーン上の彼女を追ってみるのもいいだろう。

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