退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

真田広之主演の時代劇ドラマ「坂本龍馬」を見る

1989年3月に放送されたTBS大型時代劇スペシャル「坂本龍馬」をBS放送で見ました。監督は中島貞夫真田広之が「元気な龍馬」を演じています。

ドラマは龍馬が江戸の千葉道場で修行しているところから始まます。土佐藩を脱藩してからは、志士として亀山社中を結成し、薩長同盟を仲介し、倒幕および明治維新に貢献していきますが、大政奉還後の1か月後に近江屋事件で暗殺されるまでの短い人生が描かれます。

ストーリーはオーソドックスな「坂本龍馬」ですが、アクション俳優出身の真田広之の持ち味を十分に活かした元気な龍馬を堪能できる作品です。チャンバラも手慣れたものですし、軽快に塀を越えたり、帆船のマストをするすると登っているあたりは真田の真骨頂です。この頃の真田広之は爽やかで男目線からもカッコいい。惚れてしまいます。

他の配役に目を移すとTBS大型時代劇スペシャルの常連が名を連ねており豪華ですが、とくにお龍さん役の名取裕子は美しい。寺田屋事件では入浴シーンを披露。敵の襲撃を裸で龍馬に知らせるシーンは必見。テレビドラマにはもったいないほどキレイに撮れています。

他には着膨れした松方弘樹西郷隆盛を演じていて、コントですかとツッコみたくなりますが面白い。勝海舟役の滝田栄も存在感があります。

またラストシーンも迫力満点。4人の刺客(福本清三がいました)が一人づつ合流して近江屋に向かい、龍馬と中岡慎太郎美木良介)を暗殺するシーンです。東映の大部屋役者に斬られる真田の死に様がすごいです。一度は見る価値があります。

こうしたテレビ時代劇は、ガチの映画とちがい気軽に見れるのが美点。少しぐらい席を外しても平気なのも忙しい現代向きかもしれません。こうした大型時代劇がつくられる機会はめっきり減りましたが、たまに昔の作品を見てみるとなかなかいいものです。