退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『二・二六事件 脱出』(1962)

シネマヴェーラ渋谷で映画『二・二六事件 脱出』(1962年、監督:小林恒夫)を鑑賞。初見。千葉真一特集「チバちゃん祭り!Sonny Chiba A Go Go!!」のなかの一本。

二・二六事件 脱出

二・二六事件 脱出

  • 発売日: 2016/04/30
  • メディア: Prime Video

二・二六事件(1936年)の史実を基に岡田啓介首相の救出劇を映画化した作品。ただし登場人物の名前は変えてある。反乱軍の思想的な背景は映画からは排除されており、客観性に徹しながら娯楽映画として成立させている。

青年将校たちによるクーデターが起こり首相官邸が襲われる。反乱軍は、首相の義弟を首相と思い込んで射殺する。その間隙をついて首相は女中部屋の押入れに逃げ込む。首相の無事を知った秘書官らは憲兵隊や海軍に救出を依頼するが不首尾に終わる。そうした中、憲兵曹長高倉健)が独断で秘書官と連携して首相の救出作戦を練る。弔問客を首相官邸の送り込み、無事に首相と関係者を脱出させる。

「事実は小説よりも奇なり」というべきか。これが実際にあった話だとは驚きだ。我らが千葉ちゃんは高倉健の部下として初々しい軍服姿を披露している。千葉真一特集のラインアップとしては出番は少ないが、なかなかよくできた娯楽映画。ニュー東映の火山噴火のオープニングも貴重。ソフト化されていないのが惜しい。

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