退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『アナと雪の女王』(2013) / 神田沙也加すげええ!

遅ればせながら、外圧に負けて記録的ヒットを更新中のディズニー・アニメ『アナと雪の女王』(2013年、監督:クリス・バック, ジェニファー・リー)を見てきました。まず字幕版か日本語吹替版のどちらにするか悩みましたが、またまた外圧に負けて日本語吹替版を選択。松たか子が歌う、YouTube上の「少しも寒くないわっ!」のPV恐るべし……。


映画『アナと雪の女王』松たか子が歌う本編クリップ - YouTube

アンデルセン童話の『雪の女王』を原案にしているが、まったくの別モノでした。女王エルサと妹アナの二人が主人公の、いわばダブルヒロインのアニメです。吹替版では、松たか子と神田沙也加が演じていますがよかったです。とくに神田沙也加は予想外の好演。

さてストーリーですが、「王子のキス」ですべて解決するかと思いきや、登場する王子ハンスは悪者だし、アナを助ける山男クリストフはアッシー(死語?)だし、「もう男なんていらないわ」という現代的な価値観をディズニーも導入する時代になったようです。代わりに「姉妹の絆」で大団円というのは、同性愛もこれからは容認するというディズニーのメッセージがみてとれるというと考え過ぎでしょうか。

さらに女王エルサは、生まれながらに雪や氷を作り出す魔法の力を持つという設定も今風です。だれかの呪いでそうなってのではなく、先天的な事由によりマイノリティになり社会から孤立するというのは、人種差別や先天的疾病で差別を受ける人たちへの応援メッセージと考えることもできる。アメリカらしい映画と言ってもいいでしょう。

ストーリーは別にして、映像技術は行くところまで行ったというほどスゴイ。衣服の翻るところや、セリフを話すときの口の動きなど目を見張るものがありました。特に口の動きは英語話者のそれです。アニメだから吹き替えで見ても変わらないだろうというのは、過去の話になりそうです。字幕版も一度見てみたい。

今回、年内で閉館が決まった歌舞伎町の新宿ミラノで見てきました。靖国通りから向かっていくと、なんと「アナ雪」の看板がない……。「あぁ、やっちゃったよー」かと思ったが、ちゃんと上映していました。看板を出す余裕もないぐらい上映館増やしたのだろうか。大ヒットしてなによりです。
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