退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『ふたりのベロニカ 』(1991)

早稲田松竹で「ふたりのベロニカ 」(1991年、クシシュトフ・キェシロフスキ)を観る。2週にわたり、キェシロフスキ特集で、上映作品は「トリコロール」三部作と本作だった。ありきたりの選択だが「ふたりのベロニカ 」を劇場で観る機会は貴重。

奇蹟の映画。映像に魅了されるヨーロッパ映画らしい作品。やや技巧的で難解な構成になっているが、ストーリー自体はそれほど複雑ではない。静かで暖かい幻想的な作品。重厚な音楽もこの映画の魅力に挙げられる。

一人二役を演じるイレーヌ・ジャコブが実に美しい。ポーランドのコンサートのシーンであれほど上手く歌えるとは正直驚いた。すごい才能だ。日本だと誰が演じられるだろうか、ヅカ出身者だろうか。

今度はDVDでじっくり観てみたい。きっといろいろな発見があると思う。