DVDを借りてきて「祇園囃子」(1953年、溝口健二)を観る。巨匠・溝口健二が花街・祇園を舞台に舞妓・芸妓を中心とした社会を描く。
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やっぱり19歳の若尾文子が愛くるしい。ジャケットには「みすぼらしい少女が舞妓志願に…」などと書いてあったが、質素な服装でも文子タンはのっけから輝いていたな。舞妓になってからの「おおきにぃ」がかわいい。
祇園の因習と戦後の新しい価値観の対比のなかで人間ドラマがよく描かれている。溝口作品のなかの傑作。自立した一個の女性としての矜持を貫こうとする若尾の芯の強さがすばらしい。他には、木暮実千代の妖艶さ、花千栄子の貫禄が印象に残る。
映画のなかに、事業発注の見返りに女を要求するキザな役人が登場するが、あまりにわかりやすい。祇園は性奴隷の巣窟だったのかしらん。ああ芸妓哀歌。売春防止法施行前のお話です。