シネマヴェーラ渋谷の洞口依子映画祭で「ドレミファ娘の血は騒ぐ」(1985年、黒沢清)を見る。「マルサの女2」との2本立て。デビュー当時のロリータ洞口を追ってみた。
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2001/08/24
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本作は、洞口依子の女優デビュー作であり、巨匠・黒沢清の原点とでもいえる貴重な作品。当初、にっかつロマンポルノ「女子大生・はずかしゼミナール」として制作されたが、お蔵入りとなり、その後、一般向け映画として再構成されたらしい。このようにめずらしい経緯による変容が、他では見られない個性を映画に与えている。
ストーリーは発展したり、深まったりすることもなく、ダラダラとゆったりと流れていく。80年代の学生文化にあったモラトリアムの雰囲気が溢れている。
出演者の中では、洞口依子が際立って輝いており、さすがと思わせる。可憐なエロティシズムが魅了する。また、ゼミの教授を、豪華にも伊丹十三が演じているのもすごい。教授により洞口が実験されるところが見どころだ。機会があれば改編前のフィルムも見てみたい。もっと洞口依子もエッチなことしていたのか、大いに気になる。
ロビーに公開当時に使用されたと思われるポスターが展示されていた。「PARCO劇場」というのが、時代性が出ていて感慨深い。