退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

小泉十三『頭がいい人の文章の書き方(イラスト図解版)』

頭がいい人の文章の書き方 (イラスト図解版)

頭がいい人の文章の書き方 (イラスト図解版)

世の中に文章術の本はいくつもあるが、この本は紹介している技術は、具体的なのがよい。「NGな文章」と「頭のいい文章」を対照しているのもわかりやすい。

イラスト図解版という構成なので、だいたい各項目が見開きでまとまっていてたいへん読みやすいが、その反面、どの項目が大事なのか、また項目間の関連がわかりにくいということもありそうだ。それぞれが断片的で一貫した考え方が伝わりにくい。

それでも本書を手元に置いておいて、適宜手にとって読んでみると得るものがありそうな気がする魅力はある。

以下にメモ代わりに、第6章で紹介されていた「文章トレーニング」で気になったものを書き抜きしておく。カッコ内は私のコメント。

  • 自分が「いい」と思った文章を名文とし、書き写す。(これは聞いたことがある。南方熊楠に挑戦して撃沈したことがある)
  • 名文を読んであらましを書いてみて、その後しばらくおき、あらましから名文を再現してみる。(むずかしいそう…)
  • 小論文の訓練には社説を書き写す。(学生時代試したことがあるが、地方新聞にはダメな社説もあるので注意)
  • 日記を書いて文章力を鍛える。(いまならブログでもいいのかな…)

この本の「おわりに」にも書いてあるとおり、学生の授業で「文章の書き方」を教わったことはない。外国人英語講師の話では、アメリカの大学では入学すると、専攻を問わず、まず Writing と Literature のクラスを受講する必要があり、体系的な教育手法も確立されているとのこと。日本とはかなり状況がちがう。