16日、ついに鳩山内閣が発足した。恒例の首相官邸での記者会見が開かれ、夜遅くまでテレビで中継された。
民主党は、かねてより記者クラブによる閉鎖的な会見ではなく、情報公開に基づく自由で開かれた会見であるべきだと標榜し、実際、これまで民主党の会見ではそれを実施してきた。しかし、今回の会見では、これまでどおり記者クラブメディアの記者からの質問ばかりだった。
「アレ、おかしいな」と思いながら寝たが、翌日ネットをチェックしていると、やはり、フリーランスのジャーリズムやネットメディアの記者は会見から排除されていたようだ。
自らの著書『ジャーナリズム崩壊』で記者クラブの問題点を痛烈に指摘していた上杉隆も、官邸の対応に落胆したと「ダイヤモンド・オンライン」に記事を書いている。自分自身が記者会見場に入れなかった恨み節という要素を差し引いても傾聴に値する。
選挙前、神保哲生『民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?』を読み、民主党の政策の根底にある理念は「オープン・アンド・フェアネス」を評価していた。しかし、そのキーワードにひとつである「情報公開」を支える公約のひとつが、いとも簡単にないがしろにされたのには驚いた。
記者会見のオープン化は、やろうと思えば最も簡単に実現できる公約だろうし、最も勢いのある現在を逃していつ実現できるのだろう。今後、記者会見をオープンにする気があるのか質してほしいが、記者クラブメディアしか質問できない会見ではムリか…。とほほ。