退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

日垣隆『どっからでもかかって来い!―売文生活日記』

どっからでもかかって来い!―売文生活日記

どっからでもかかって来い!―売文生活日記

手元にあったのでなんとなく読んでみた。雑誌『WiLL』の2005年から2006年あたりまでの連載をまとめた本なので、時事ネタはさすがに古い。

日常生活で遭遇する様々な理不尽に対して、怒りまくっている文筆家の熱い日記。相手は、銀行、郵便局、宅配便業者、不動産屋、ネット古書店など。

まあ怒りたくなるのもわかるけど、適当にスルーした方が精神的な負担も軽いだろうと思うが、エッセイのネタになるからいいのか。ただ不動産屋の敷金の返金について断固闘う姿勢には共感を覚える。あのボッタクリ同然のひどい慣習は撲滅すべき。

殺伐した日記のなかで、子どもたちとの関わりに温かみが感じられる。奥さんは出てこないのだが…。学費や月々の生活を子どもを家に呼んで手渡しするのはすごいけど、お金のありがたみや父親の威厳を示すにはいいやり方かも。それにしても娘の大学入試の小論文を、プロの父親が手伝うのはどうなのよ…。合格したのかな。