退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』(1969)

銀座シネパトスのレイトショウの企画《燃やせ!俺たちの70'sジャパニーズ・グラインドハウス魂!》の最後の作品は、なんと「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」(1969年、石井輝男)だった。最後に見たのは、2004年に閉館した自由が丘武蔵野館だっただろうか。

HORRORS OF MALFORMED MEN : 江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間 [DVD]

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日本のカルト映画の原点ともいうべき作品で、日本でソフト化されていない(逆輸入版あり)こともあり、劇場はこれまでになく盛況だった。この映画をラストに据えるなら、途中も東映ピンキー路線ではなく、カルト映画を集めればよかったのに…。

多くを語る必要はない伝説のカルト映画だけど、小池朝雄土方巽の怪演が最大の見どころか。いま見ても破天荒な話で理解不能な部分も多いのだが、ラストの明智小五郎の謎解きを聞いていると、なぜかツジツマがあっているなと納得してしまうから不思議だ。

この映画は、イベントとして映画館に出かけて、みんなで<最後まで>見るのが楽しい。石井輝男バンザイ!