退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

荻上チキ『12歳からのインターネット』

子どもを対象に、インターネットで事故に遭わないように、その付き合い方を説いた<インターネット・リテラシー入門書>。小振りのかわいい本だ。

知りたいのは、子どもたちがこの本を読んでどう感じるのかということだけど、Amazonにはコメントがない…。

12歳からのインターネット

12歳からのインターネット

また、手に負えない問題は大人に相談しようとあるが、私も一応大人だけど、問題が深刻になってから相談されても迷惑だなと思った。

巻末の「保護者の方へ」では、筆者は、「子ども」と「インターネット」の関わりについて、次のように意見を述べている。

インターネットを「使わせない」というのも選択のひとつだが、それでは根本的な解決にはならない。大人たちが、その危険性を子どもたちに教え、あわせて環境を整えていくことが大切である。

しかし子ども社会で起きているネット関連の事件を見ていると、それほど安穏に構えていられる状況ではない。実際、学校にケータイの持ち込みを制限する自治体も出てきているし、文科省もそうして方向に動いているようだ。危険性のあるモノを子どもたちから遠ざけようとしているようだ。

まあ、このような対応が根本的な解決にならないのは自明であろう。一方、学校教育で、本書で述べられている知識がどのように教えられているのかも気になる。いずれ大人になったときには、ネットの持つ危険性と否応なく共生することになるのだから、この分野についての学校教育の果たすべき役割は大きい。

諸外国の事例を含め、あらためて「子ども」と「インターネット」の関わりについて考えてみる契機にはなった。