映画『忠臣蔵』(1958年、渡辺邦男)をDVDで鑑賞した。大映オールスターによる大型時代劇。尺も長い。2時間過ぎても討ち入りが始まらないので、どうなるのかと思ったが、あまり長さは気にならない。
- 出版社/メーカー: 角川映画
- 発売日: 2004/12/10
- メディア: DVD
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配役は、大石内蔵助に長谷川一夫、浅野内匠頭に市川雷蔵、岡野金右衛門に鶴田浩二、赤埴源蔵に勝新太郎という豪華な布陣、さらに女優陣も京マチ子、山本富士子、木暮実千代、淡島千景、若尾文子という磐石の配役。ちなみに、吉良上野介には滝沢修が起用されている。
この映画では奇を衒うこともなくオーソドックスな演出がなされ、まさにスタンダードというべき仕上がりになっている。お馴染みの数々のエピソードが登場するメイン・ストーリーは安心して見ていられる。また女優陣の存在感があり芝居が絞まったものにしているのも特筆できる。
われらが若尾文子は吉良邸出入りの大工棟梁の娘役。屋敷の図面を巡るエピソードで登場するが、初々しくてよろしい。
ラストでは、悲願を成就して、隊列を整え堂々と泉岳寺に向かうシーンで幕となり、浪士が切腹する後日談は描かれない。ちょっと物足りない気もするが、一本の映画としては妥当なところか。
この映画は既に半世紀以上前の作品であるが映像がきちんと残っているのはありがたい。その後、1964年のNHK大河ドラマ「赤穂浪士」で、再び長谷川一夫と滝沢修がコンビを組んで忠臣蔵を演じるが、そのときの映像はほとんど失われていることを考えると、さすが映画といったところだ。