還暦を前にした野沢直子さんによる、「老い」をテーマしたエッセイ集。
野沢さんと言えば、かつて日本の芸能界で人気を博していたが、その後、渡米してはや30年。もう若い世代は日本での活躍を知らないのかもしれない。いつだったか、名声優として活躍していた野沢那智の姪だと知って驚いた覚えがある。そんな野沢さんがそろそろ還暦だと聞いて、時の流れの速さに驚くばかりである。
この本は要所要所で大きなフォントでページいっぱいに文面が配置される。すごいページ稼ぎだなと思ったが、後で読み直すときには「名言集」のように読めて面白い。
内容はいたってポジティブ。皆がなかなかこれほど開き直れないと思うが、「老い」を感じ始めた人たちには良いアドバイスになるだろうか。共感できる点も多い。
印象に残ったのは「歩け」と言っていること。同じアドバイスをしている人が多いように思う。やはり足が大事なのは間違いないようだ。