5日、渡辺裕之さんが亡くなったことが報じられた。66歳。
渡辺さんは、大正製薬「リポビタンD」のCM内の「ファイトー! イッパーツ!」のキャッチフレーズで人気を博したことで広く知られている。ひとつのCMコピーがこれほどインパクトがあったのは稀有な例だろう。
その後、俳優として活躍し多くの作品に出演している。
今回訃報を耳にして驚いたのは、私がちょうど再放送されている昼ドラマ「愛の嵐」(1986年)を見ていたからだ。渡辺さんと田中美佐子がこの「許されぬ愛の物語」でコンビを組んでいた。渡辺さんは主演のひとりだが、幼年期、少年期は他の俳優が演じていて、ようやく青年となりドラマに登場した矢先だった。その後、同じ枠の「華の嵐」「夏の嵐」にも出演している。
映画で私が印象に残っているのは平成ガメラ三部作(金子修介監督)での軍人役である。司令役には若すぎたのかもしれないが、なかなか存在感が合ってシリーズに欠かせない役どころだった。
ほかにもVシネマにもたくさん出演していたが、極道モノの作品が多く趣味ではなかったので、あまり見ていない。
マッチョで有名になったせいもあるが、役者として進むべき方向性は難しかったのかもしれない。それでも相変わらずの男前であり、将来、老齢の二枚目紳士といった役を演じている姿を見たかった。ご冥福をお祈りします。