退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

TOKYO MXで放送されたテレビアニメ『空手バカ一代』を完走しました

漫画『空手バカ一代』(原作:梶原一騎、作画:つのだじろう)の連載開始50周年を記念して、TOKYO MXで再放送されてきたテレビアニメ『空手バカ一代』(全47話)が終了し。なんとか完走することができた。懐かしかった。

このテレビアニメは、1973年から1974年にわたりNETテレビ系で放送された。原作は空手家・大山倍達の半生を描いた伝記風の作品だが、アニメでは架空の空手家・飛鳥拳(あすか けん)が主人公になっている。

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特攻隊の生き残りである飛鳥拳が持ち前の空手を使って活躍していく姿を描く。アニメの前半部は比較的原作に近く、有明少年のエピソードなど主人公の内面を描く場面もあるが、後半は海外に飛び出し世界中のさまざなな格闘技と戦う勧善懲悪の色合いが強い内容になっている。子ども向けに路線変更したのか、前半と後半ではかなり作風が異なる。

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また前半ではアニメのなかに極真空手による実写映像が挿入されていることも特徴的。アニメに出てきた場面を実際に見せてくれるという趣向なのだが、見ていると微妙にちがう。例えばアニメ中ではテーブルに置いたビール瓶を手刀で切るのだが、実写では他の人がしっかりとビール瓶を持って固定している。固定しないほうが難しいのではないかと子どもながら思ったことを思い出した。その実写映像は後半になるといつの間にかなくなってしまった。

作画的には話数によってまちまちで玉石混交の感があるが、出崎統の演出回は見どころも多い。またOPの回り込みの作画などはいま見てもなかなかよくできている。


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ラストは日本に帰国した飛鳥が、空手を極めるために再び世界に飛び立つという「俺たちの戦いはこれからだ」という典型的な「おれたたエンド」だった。このアニメは終わり方が難しいから仕方ないのだろうが、ちょっと拍子抜けするエンディングだった。

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こうした昭和のテレビアニメが再放送は、TOKYO MXらしいナイスな企画。なかなか楽しめた。来年以降も昭和アニメを懐古する枠を維持してほしい。