退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

日本の感染状況は「さざ波」という投稿で思ったこと

内閣官房参与高橋洋一氏のTwitterでの発言が炎上した。

「笑笑」とか書く必要があったのか。感情論として批判が殺到したのもわかる。それでもデータとしては客観的なファクト。日本の人口あたりの感染者数が、諸外国のそれと比べて少ないことは明らかである。まさに「さざ波」と言っていい。

それにもかかわらず日本の医療体制が崩壊して、多くの新型コロナ感染症の患者が十分な手当てを受けられずにいる。さらに医療体制が逼迫して新型コロナ以外の疾患の患者の治療にも支障が出ている。

「さざ波」ごときで簡単に医療崩壊しているテイタラクこそが問題である。日本の医療体制が脆弱であることはこれからも明らかであるが、こうしたことはマスコミは指摘しない。

新型コロナが社会問題になってから1年以上経っているのに医療体制がそれに対応できていない。某大学業院の先生が「増床したくても人がいない。天から降ってくるわけでない」というコメントをしていた。

それはそうかもしれないが、もっと大所高所から日本全体の医療リソースを最適化できなかったのかという疑問はある。できないというならば、何が障害になっているのか。医師会の利権保持のためのあがきなのか、縦割り行政の悪弊なのか、それとも医療従事者の人員が足りていなのか。

諸外国が、日本の20〜30倍もの感染者数が出る状況に曲がりなりにも対応していることを考えると、日本の医療体制はあまりにもお粗末ではないだろうか。そろそろ現状をきちんと分析して、中長期的に医療体制をどうするのか議論する時期だろう。

こうした仕事には、データを客観的に分析する専門家が必要であるが、その任にあたるべき内閣官房参与が不用意な発言をするようでは国民はゲンナリするばかりだ。もっとも高橋氏は先の投稿について次のようにTwitterで釈明している。

あまり悪びれた様子は感じられないが、それが氏のキャラクターなのだろう。優秀な人なのだからブレーンとしての仕事を果たしてほしいものである。

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