退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】松村太郎『Anker 爆発的成長を続ける 新時代のメーカー』(マイナビ出版、2020年)

いつのまにかAnkerの青い箱が部屋に増えている人も多いのではないでしょうか。モバイルバッテリーなどで定評のあるAnkerのサクセスストーリーを紹介する本です。

Anker 爆発的成長を続ける 新時代のメーカー

Anker 爆発的成長を続ける 新時代のメーカー

  • 作者:松村太郎
  • 発売日: 2020/04/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

創業者などのキーパーソンを紹介しながら、起業からの歩みを辿っていきます。興味深いのは起業時にハードウェア・メーカーの経験者いなかったこと。いわば素人集団で、モバイルバッテリーといったコモディティを扱うビジネスに漕ぎ出したのは驚きです。いわばレッドオーシャンなのに、勝算を確信していたのがすごい。

また企業のKPIがAmazonの星の数というのも驚きました。Ankerの成功はAmazonという新時代のプラットフォームがあったればこそなのでしょうが徹底してます。

私もAnkerの商品の製品サポートを受けが経験がありますが、Amazonの注文番号で保証を受けられたことに驚いた記憶があります。サポートも満足できたので日本法人もなかなかやるなと思いました。

この本は翻訳本ではなく著者が日本人であり、日本法人についてもページを割いているのはよかったです。Ankerの関係者が日本市場に特殊性について語っていた箇所は、とくに興味深く読みました。日本にリアル店舗があることは初めて知りました。

読みやすい本ですが、惜しむらくは「サクセスストーリー」ばかりで物足りない。どのような挫折や失敗ががあったのかも知りたかったです。

また個人的には、充電器はモバイルバッテリー以外の新規カテゴリーのうちオーディオ関連のブランド「Soundcore」についてもっと情報がほしかった。どのような人が製品開発しているのか興味のあるところです。老舗オーディオメーカーにどのように対抗するのか戦略を知りたかった。


f:id:goldensnail:20200930050347j:plain:w400