退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

「新潮45」に掲載されていたルポ「東大生集団わいせつ事件」をさがして

先日、姫野カオルコの小説『彼女は頭が悪いから』を読んだ。実際にあった「深夜のマンションで起こった東大生5人による強制わいせつ事件」に着想を得たフィクションである。

読後、今はなき雑誌「新潮45」でこの事件を扱ったルポ記事を読んだことを思い出してもういちど読みたくなった。検索すると掲載号はすぐにわかったが、近所の図書館ではすでに破棄されていた。

新潮45 2016年 11 月号 [雑誌]

新潮45 2016年 11 月号 [雑誌]

  • 発売日: 2016/10/18
  • メディア: 雑誌

新潮45」に限らず、公立図書館ではどの雑誌の保存期間は2年ぐらいである。これはどの図書館でもだいたい同じであるが、資料的価値が高いとされている雑誌は長期保存されている場合もある。よく利用している図書館では、「キネマ旬報」「ユリイカ」「レコード・コレクターズ」などを長期保存していて重宝している。

さて今回の「新潮45」2016年11月号をまだ保存していた図書館があったので、取り寄せてこのルポ記事を読んでみた。傍聴ライター・高橋ユキによる「東大生集団わいせつ事件」という10 ページほどの記事である。小説ではいろいろボカしてるある固有名詞もルポでは実名になっていて余計に生々しい。

彼女は頭が悪いから

彼女は頭が悪いから

この短い記事の内容から、450ページ以上ある小説『彼女は頭が悪いから』に膨らませられるのだから小説家というのは大したものである。読み比べてみるのも勉強になるかもしれない。

昔の雑誌「新潮45」では、こうしたノンフィクションが面白かったのだが、いつのまにか編集方針がおかしな方向に向かうようになった。最近なんかヘンだなと思っていると、ついに炎上してあっけなく休刊に追い込まれてしまった。

ちなみに「新潮45」に連載されていた漫画「プリニウス」は、雑誌「新潮」に移って連載が続いている。最新号ではついに暴君ネロが死ぬところまで進んでいた。長い連載である。

新潮45 2016年 11 月号 [雑誌]