退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

企画展「金栗四三青春の地・文京区」@文京ふるさと歴史館

先日、本郷四丁目にある文京ふるさと歴史館で企画展「金栗四三青春の地・文京区」を見てきました。無料。文京ふるさと歴史館の前は何度も通っていましたが、今回初めて中に入りました。

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今年の大河ドラマ「いだてん」の主人公・金栗四三の青春時代を当時の写真や資料で紹介しています。東京高等師範学校、嘉納治五郎、足袋店「播磨屋」などドラマの重要な舞台を擁する文京区ならで企画展です。

当時の写真や資料も興味深く拝見しましたが、面白かったのは金栗の通学路を辿る映像。金栗四三は熊本から上京し、嘉納治五郎が校長を務める東京高等師範学校(現・筑波大学)に入学。予科生だったころは寄宿舎のあった湯島から大塚まで春日通りを走って通学しながら、日本初のオリンピック出場を目指します。およそ4.3キロメートル。

この走って通学した様子はドラマにも取り上げられていましたが、映像では金栗四三の通学路の現在の様子を撮影して早回しで紹介しています。地図を見ると通学コースが、すっぽり現在の文京区に収まっています。

会場に展示されていた大きな地図を見て、前から気になっていたことがひとつ氷解しました。お茶の水女子大学は、御茶ノ水にないのに、なぜ新制大学へ移行したとき「御茶ノ水」の名前を付けたのかという謎です。

金栗が入っていた当時、東京高等師範学校寄宿舎の隣に東京女子高等師範学校(現・お茶の水女子大学)があったことがわかりました。つまり発祥の地というわけです。しかし奈良女子大学のように東京女子大学にしなかったのは依然不明です。私学の東京女子大学に先を越されたのでしょうか。ますます謎が深まりました。

また展示会には、金栗四三と並んで写真を撮れるコーナーもありました。大河ドラマに主演している中村勘九郎と並ぶわけではなく、本物の金栗四三です。金栗四三中村勘三郎に挟まれて写真を撮る趣向にすればもっとよかったのにと思いました。

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無料ということもありますが、なかなか楽しめる展示会でした。