退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

「練馬区に保証金50億円返還命令 日大病院の撤退で」に思うこと

撤退した日大病院が練馬区に預けた保証金50億円の返還をめぐって訴訟がありました。区と大学の裁判は珍しいので注目していましたが、あっさり区の敗訴が決まりました。拍子抜けです。以下に経緯を述べます。

練馬区に保証金50億円返還命令

まずは、17日に下された東京地裁の判決から見ていきます。練馬区の全面的な敗訴です。

「練馬光が丘病院」(東京・練馬)の運営から撤退した日本大学が、同病院を所有する同区に賃貸契約の保証金50億円の返還を求めた訴訟の判決で、東京地裁(石栗正子裁判長)は17日、日大側の訴えを認め、練馬区に全額の支払いを命じた。


Source: 練馬区に保証金50億円返還命令 日大の病院撤退で東京地裁 :日本経済新聞

練馬区は、保証金全額に加えて遅延損害金約5億7千万円も返還を求められることになりました。

練馬区が50億円返還命令受け入れ

その後、東京地裁の保証金50億円の全額返還を命じれた練馬区は22日に控訴を断念。前川燿男区長は記者会見で謝罪する事態になりました。返還の遅れにより日ごとに膨らむ遅延損害金の影響を考慮したためと伝えられています。

この記事によれば、練馬区は当時、日大から預かった保証金を一般会計予算に再入として繰り入れていたそうです。そして今回の訴訟で生じた遅延損害金は臨時支出となります。

知事が謝罪した記者会見の模様は下のようにMXテレビでも取り上げられていました。事態の経緯などを解説していますがが、どうもこれだけでは要領を得ません。


病院保証金問題で練馬区 日大に約50億円 基金から返金へ - YouTube

数々の疑問点

以下に疑問点を思いつくままに列挙します。

  • 日大病院の前進の医師会が経営していた病院の赤字を、なぜ区が負担したのか
  • 日大病院が撤退した本当の理由は何か
  • 保証金を一般会計に繰り入れることに問題はなかったのか
  • なぜ日大から訴訟に応訴して遅延損害金が加算される事態になったのか。勝てる法的根拠はあったのか

地方行政の不祥事が続くなか練馬区はどのような説明をするのでしょう。これだけでも一冊の本書けそうな内容です。地方政治の闇が見えるかもしれません。

まあ、いずれにせよ練馬区は区民の信頼を取り戻すためにも真摯な対応が求められます。

f:id:goldensnail:20140926222757j:plain