世間では日本大学のアメフト選手が悪質タックルをした事件が話題になっている。監督側から明示的な指示があったどうかははっきりしていないが、日大側の事後対応のマズさもあり未だ収束の気配をみせていない。
私は、たかが大学スポーツでこれほど騒ぐ必要はないと思うが、ワイドショー的には格好のネタとなっていて炎上を続けているようだ。NHKすらニュースでトップニュースで扱う始末だ。
こうしたなか、たまたまAbemaTVで見ていた野球アニメ「メジャー」で、上記の日大アメフト事件を先取りしたのかと思うようなエピソードがったので紹介したい。アニメ「メジャー」は、「週刊少年サンデー」で連載していた満田拓也の漫画『MAJOR』を原作としたアニメ作品である。
その第3シーズンで、主人公・茂野吾郎が率いる無名校の聖秀高校野球部が、かつて在籍していた名門・海堂高校野球部二軍と練習試合する。そのなかで吾郎を毛嫌いしている海堂の野球部長・江頭(えがしら)が、ある部員に圧力をかけて吾郎の足を故意にスパイクで踏ませる暴挙にでる。
まさに野球とアメフトで競技は違えど、日大アメフト事件をなぞったような事件である。まさかAbemaTVがタイミングを測って配信したわけでもないだろうが、事件とあまりに符合するエピソードなので観ていて驚いた。
ちなみにアニメでは、その後反則を指示された選手は責任を感じて退部し、さらに海堂学園の理事長による内部調査により江頭が危険行為を指示したことが発覚して首謀者の江頭は失脚している。海堂はその年の甲子園を制覇したが、事件の責任をとって優勝旗を返還している。
アニメではかろうじて海堂高校がガバナンスを発揮したが、果たして日大の場合はどうだろうか。先日、日大理事長が記者会見を行ったが、十分に準備している様子もなく残念な会見に終わった。危機管理学部まで有しているという日本大学が、真の危機管理能力を発揮して名誉回復する日は来るのだろうか。
なお、このエピソードは原作コミックの第36巻に収録されている。