東宝で活躍した女優・星由里子さんが亡くなった。74歳だった。
彼女の映画デビューは1959年。1961年にスタートした加山雄三主演「若大将シリーズ」で前半のマドンナを演じたことで知られている。訃報を耳にしたのが、名画座の宝田明特集で青大将こと田中邦衛が出演している映画『福耳』(2003年、瀧川治水監督)を見たあとだったのでちょっと驚いた。
私はかなり世代が違うので、「若大将シリーズ」はリアルタイムで見ていないし、後で見ても正直ピンとこなかった。さわやかなイケメンが活躍する映画はちょっと苦手かも……。
なので私のなかでは星由里子は東映特撮のヒロインのイメージが強い。1964年に『モスラ対ゴジラ』『三大怪獣 地球最大の決戦』とゴジラ映画に続けて出演している。怪獣映画への出演は女優としては不本意だったかもしれないが、特撮ファンの心を掴んだことは間違いない。後にミレニアムシリーズ第2作『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』(2000年、手塚昌明監督)で怪獣映画への復帰を遂げている。
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さらに怪獣映画ではないが、特撮映画『世界大戦争』(1961年、松林宗恵監督)も心に残っている。当時の東西冷戦の世界情勢を反映し、2大勢力間で勃発した世界最終戦争のなかで生きる市井の人々を描く反戦映画。星由里子はフランキー堺の娘役のヒロインを演じている。清楚ながらも凛としたキャラクターが際立っていた。東京は核攻撃で壊滅するけどね。
もっと特撮映画に出ているかと思ったが、フィルモグラフィーを見ると『世界大戦争』でも共演していた白川由美と記憶が微妙に混じっていたようだ。これは記憶を”調整”する必要がありそうだ。