東京の地下深くを6の字に走る都営地下鉄大江戸線が、やっと黒字になりそうだという記事が面白かったので紹介します。この記事を読んで思ったことを書いてみますね。
ぜひ読みたい「大江戸線物語」
都営地下鉄大江戸線は開業から26年目を迎えますが、最近では経営状況が改善し黒字化も近いかな、という内容です。この記事によれば、当初の見積りとはややずれているものの、結果として利用者が多く、「都民の足」として定着しているので、建設してよかった路線だと結論付けています。
大江戸線に乗ってみてとすぐにわかりますが、地下深くに駅があり、かつ車両が小さいのが特徴です。これは東京の地下鉄で二番目に新しい路線なので地中深くに建築するしかなかったこと、そして膨大な建設費用を抑えるために、小さなトンネル、小さな車両、鉄輪式リニアモーター駆動が採用されているためです。
ルートや鉄道システムの選定を含め、計画時にはさまざまなドラマがあったはずです。ぜひ当時の担当者のコメントなどをまとめて、「大江戸線物語」のような読み物を読んでみたいです。と、思ったら既にこんな本がありました。ぜひ読んでみたいと思います。
黒字バンザイ!
まだ黒字になったわけではありませんが、ようやく黒字の目処が立ってきました。これで都営地下鉄の3つの路線がすべて黒字になります。営団がやらなかった不採算路線を担っている都営地下鉄としては立派なモノです。
大江戸線延伸の計画もあるようですが、コスト増加につながるのでひとまず止めほうがいいでしょう。それより黒字経営を長期にわたり継続して経営基盤を安定化させてほしいものです。
大江戸線について注文はいくつかありますが、まずは朝夕の混雑の緩和です。最近、駅には「オフピークの利用」を呼びかけるポスターが張り出されていますが、これ以上増発できないのかなと思います。もう技術的に限界なのでしょうか。延伸に投資するなら電車の時間間隔を短縮するために投資してほしいものです。
ひとつの地下鉄
初めて東京に来たとき、東京の地下鉄はなんて複雑なのだろうと思いました。慣れてくると、営団と都営の2つの事業者があるのがおかしいことに気付きました。いろいろ歴史的経緯があるのでしょうが、利用者にとって非常に使いづらい。
都営地下鉄の経営が改善すれば経営統合が視野に入ってくるかもしれません。東京メトロにすれば都営地下鉄の赤字路線を引き受けるなんて冗談じゃない、ということもあるでしょう。経営統合までいかなくても、運賃収入をうまく分配するなどして利用者からみて「ひとつの地下鉄」にならないものでしょうか。
最近、なんでも東京五輪に結びつけてデッドラインを設定する動きがあります。この流れはどうか思いますが、「ひとつの地下鉄」は海外からの観戦客が増える東京五輪に向けて取り組みやすい課題に思えます。あと3年足らずですが、なんとかならないものでしょうか。