退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『デス・レース2000年』(1975) / ブレイク直前のスタローンが出演しているB級映画

新文芸坐の《魅惑のシネマクラシックス Vol.20》で映画『デス・レース2000年』(1975年、監督:ポール・バーテル)を鑑賞。デヴィッド・キャラダイン主演のカルト映画。映画『ロッキー』(1976年)でブレイクする前のシルベスター・スタローンが出演していることでも知られるカルト映画。併映は『バニシング IN TURBO』だったのでコーマン作品の2本立て。

製作当時の近未来である独裁者に支配されて西暦2000年のアメリカが舞台。国民から絶大な人気を誇る“デス・レース”が開催され、ニューヨークからロサンゼルスまでの区間を奇抜な武装を装着したレーシング・カーに乗る5組のレーサーたちが争う。レース中に一般市民を轢き殺せば年齢、性別に応じてポイントが加算されるのが、このレースのルールだ。

近未来といえば、とりあえず西暦2000年ぐらいにしておこうという設定だったのだろうが、現在は2016年で時代が映画と飛び越えてしまった。そう思うと、「シネマクラッシク」で上映されるのも仕方ないのか。

奇抜なレーシングカーはタツノコプロのアニメ『マッハGoGoGo』を彷彿させるデザインでもあるが、それが実写化されてスクリーンを疾走するのはやはりすごい。映画館でも休憩中には『スピード・レーサー』のテーマ音楽が流れていた。


Death Race 2000 - Official Trailer (1975)

いわゆるB級のエログロ映画なので残酷シーンやお色気シーンが満載だが、それだけではなくカーアクションの迫力はさすが。もちろん現代のようにVFXで何でもありの時代ではないので、映像的には最近のものに比べるべくもないが、映画の面白さはそういうことでは決まらないと確認できる。

B級映画の良さがつまっている快作。過激なブラック・ユーモアは見る人を選びそうだが、それを笑って楽しめる人だけに見てほしい。

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