退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

人工知能アルファ碁 vs. イ・セドル九段の対局の解説者がマイケル・レドモンド九段だった!

Google人工知能AlphaGoと、現役最強棋士のひとりと言われるイ・セドル(Lee Sedol)九段の対局が進んでいます。フタを開けてみると人工知能が強すぎて、イ・セドル先生が1勝できるのかというレベルの会話が聞かれるほどです。


Match 2 - Google DeepMind Challenge Match: Lee Sedol vs AlphaGo

対局の行方は気になりますが、今回は対局中継の解説者がマイケル・レドモンド(Michael Redmond)九段だったのを見つけて驚いた話をしたいと思います。

世紀の対局がインターネットでライブ配信されることは知っていましたが、大盤解説あるのだろうか、あるとすれば誰がやるのだろうと思っていました。世界に向けて配信するのだから言語は当然英語だろうが、それをできるプロ棋士はいるのだろうか。現地の韓国のプロ棋士が解説して同時通訳されるのだろうか。などなど、いろいろ考えていました。

そして対局初日に解説者としてレドモンド九段が登場。ああ、彼がいたかと思いましたが、同時に日本以上に囲碁がさかんと言われる韓国には英語で解説できる棋士はいないのか思うと意外な気もしました。そうでなければ、わざわざ日本からレドモンド九段を呼びませんからね。ひょっとしたらレドモンド九段が英語ネイティブで最強棋士かもしれません。

棋士マイケル・レドモンド

棋士マイケル・レドモンド

このレドモンド九段は日本棋院所属のプロ棋士アメリカ・カリフォルニア州出身。囲碁に魅せられて来日し、異文化のなかで院生を経てプロ棋士になり、欧米人としては初めて最高段位の九段に昇段したというたいへんな人です。

「世紀の対局」は囲碁がグローバルなゲームであることを再認識させてくれました。考えてみれば、英語ネイティブの最強棋士が中国や韓国ではなく日本で活躍していることは実に幸運なことです。人工知能に人間が凌駕される瞬間を目前にして、このアドバンテージを活かして日本での囲碁の生き残りを模索できないだろうかと思った次第です。