退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

特別展「始皇帝と大兵馬俑」 @東京国立博物館

上野の東博兵馬俑展を見てきました。中国に行った知人からずらりと並ぶ兵馬俑の前で撮った写真を見せてもらってから一度実物を見たいと思っていました。

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前菜は、秦王朝が中国を統一するまでの軌跡を追う展示です。春秋・戦国時代(紀元前8~前3世紀)の歴史の息吹を感じることができます。冒頭に展示された世界年表によれば日本は弥生時代ですが、展示物のスゴさから中国が世界の先進国だったことをわかります。ガミラス人と地球人ぐらいの文明の格差はありますね。

次は秦王朝周辺諸国を滅ぼし、中国で初めて「皇帝」となった始皇帝の時代(前3世紀)です。L字型の水道管や、度量衡や貨幣を統一した際に使われた出土品から帝国の高度な文明が伺われます。

いよいよ銅車馬です。部屋に入ってびっくりぽん。小さいです。レプリカとは聞いていましたが、原寸大ではなく2分の1縮尺の模型だったとは……。この2両の銅車馬は始皇帝が実際に乗ったと考えられる馬車を青銅で細部まで再現した模型とのこと。縮小模型とは言え迫力満点。2号銅車馬は始皇帝が乗る馬車だと考えられてていますが始皇帝はいません。

ついにメインディッシュの兵馬俑です。元々、兵馬俑は全体で軍団を構成しており、8000体の兵馬俑が出土しています。今回の展示はそのなかの数体が展示されています。将軍、歩兵、弓兵などの将兵を360度ぐるりとまわって見ることができます。もちろん彩色は落ちているし、木竹の武具なども朽ちていますが写実的な造形は一見の価値があります。願わくば彩色を再現し武具を持たせたレプリカがほしかったです。

始皇帝兵馬俑や銅車馬を陵墓の周囲に埋めさせた理由は、死後も皇帝として永遠に世界の支配を夢見ていたと考えられいます。不老不死を追い求めるのは権力者の性ですかね。しかし皮肉なことに秦王朝は、始皇帝の死後わずか3年であっけなく滅亡します。

最近の展示会に付き物の写真コーナーもありました、レプリカの兵馬俑といっしょに写真を撮れるという趣向です。

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休憩場には、マンガ「キングダム」とコラボしている立て看板もありましたが、主催者に名を連ねねているNHKのアニメとのタイアップでしょう。公共放送のくせに商売気がありますね。
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ちなみに音声ガイドでは壇蜜がナビゲーターをしていました。NHK中国語講座に出演している関係でしょうか。舌足らずの声が気になって仕方ありません。声がエロいです。

なかなか面白い展示会でした。会期は来年2月21日までと余裕がありますので、古代中国に興味のある方はお見逃がしなく。

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