藤崎竜によるコミック『封神演義』(文庫版:全12巻)をようやく読了しました。1996年から2000年まで『週刊少年ジャンプ』に連載された漫画作品です。少しずつ読んでいたので足かけ1年ぐらいかかりました。断片的に読んだことはありましたが通読するのは初めてです。
コミックをあらためて読み始めたのは、昨年テレビアニメ『覇穹 封神演義』 を観たことがきっかけです。昔、原作を読んでいたので楽しみにいていたのですが、アニメの出来はとても酷いものでした。落胆してついに途中で見るのをやめてしました。そこで、そもそも原作はどんなだったかなと読み始めたワケです。
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殷王朝の時代の中国が舞台。皇帝紂王は名君だったが、仙女の妲己を皇后に迎えてから、彼女の術に惑わされて腑抜けと化し、悪政を続ける皇帝により国は多いに乱れた。そこで教主元始天尊は、悪の仙道を封じて、革命により新王朝を建てる「封神計画」を立てて、弟子の太公望に実行を命じる。太公望は、強大な敵とたたかうため仲間たちを集めて、宝貝(ぱおぺえ)という武器を使い計画を進めていくが……。

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まあ一言で語れないがこんな感じで始まり、物語が進むなか新たな事実が次々に判明していきます。
バトルシーンが強く印象に残っていたのですが、中国の古典怪奇小説を下敷きにした壮大な物語です。原典にはおそらくないだろう、超古代先史文明や古代宇宙飛行士説の要素を取り入れたSF大作の風格すら感じられます。
『週刊少年ジャンプ』の連載なので、どうせお子様向けだろうとたかをくくって読み始めましたが、終盤に向かうにつれてスケールがどんどん大きくなっていき驚きました。ジャンプの読者がこの作品について来れたのかだろうかと心配するほどです。読み応えがありました。
惜しむらくは、文庫版では文字が小さく読むのがつらかったこと。中国古典をベースにしているので登場人物が多く、その名前は漢字が用いられているうえに難読なモノが多い。ふりがなが振ってあるが文字がさらに小さい。老眼のせいかと思ったが画数の多い漢字は拡大してもフォントが潰れていて解読不能ということもありました。欠陥商品じゃないかと思うほどです。これから読む人は文庫版は避けたほうがよいかもしれません。